東京スプリング工業 アワーグラスポケット マエストロ GTP 徹底解説|砂時計型コイルの実力と評判

東京スプリング工業 アワーグラスポケット マエストロ GTPのマットレス実機写真(2台並び)

東京スプリング工業の「アワーグラスポケット マエストロ GTP」は、日本に1台しかないスイス製専用マシンで生産される砂時計型ポケットコイルを搭載した、知る人ぞ知るハイエンドマットレスだ。ECサイトでは一切販売されず、価格も問い合わせ制という異色の存在だが、体験者からの評判は圧倒的に高い。本記事では技術的背景から実機の特徴、競合との違いまで詳しく解説する。

東京スプリング工業 アワーグラスポケット マエストロ GTPのマットレス実機写真(シングル2台並び)
東京スプリング工業 アワーグラスポケット マエストロ GTP(シングル×2台)。総厚36cmの存在感が際立つ。
目次

東京スプリング工業とはどんなメーカーか

東京スプリング工業は1947年(昭和22年)創業、埼玉県幸手市に拠点を置くスプリングメーカーだ。創業当初はGHQの依頼でマッカーサー元帥の執務室用チェアのスプリングを製造し、1950年には米軍将校用として日本初のポケットコイルスプリングを製造した歴史を持つ。

長年にわたりシモンズ・サータをはじめとする国内外の大手ベッドメーカーにスプリングをOEM供給する「メーカーのメーカー」として業界を支えてきた。2012年にアワーグラスポケットマットレスの自社ブランド販売を開始し、現在に至る。広告宣伝をほぼ行わず、製品品質と口コミのみで評価を築く異色の経営スタイルが特徴だ。

アワーグラスポケットコイルとは何か

「アワーグラス(Hourglass)」とは英語で砂時計を意味する。コイルスプリングの形状が上下の巻き径が大きく、中央が細い砂時計型になっている点が通常のポケットコイルとの決定的な違いだ。米国レゲット&プラット社の国際特許スプリングであり、東京スプリング工業は正式ライセンスのもとで日本国内での製造・販売を行っている。

通常のポケットコイル(バレル型)との違い

項目 バレル型(円筒形) アワーグラス型(砂時計形)
形状 均一な円筒形 上下が大きく中央が細い砂時計形
反発特性 線形(リニア) 非線形(ノンリニア)
支持の仕組み 荷重に比例して均一に反発 低荷重は柔らかく、高荷重で急増する二段階反発
ゾーニング 必要(部位別に硬さを変える設計が多い) 不要(1本のコイルが自動適応)
体型適応 体型・体重によって合う合わないが出やすい 幅広い体型・体重に対応しやすい

アワーグラス型の最大の特長は、1本のコイルが荷重に応じて自動的に反発力を変化させる点にある。軽い荷重時は上下の大きな巻き径部分が柔らかく体を受け止め、体重が集中する部位では中央の細い部分が働いて沈み込みすぎを防ぐ。「最初はふんわり、でも沈まない」という理想の寝心地を1本のコイルで実現しているため、体型を問わず高い体圧分散性を発揮する。

スイス技術(SWISS TECHNOLOGY)の正体

マエストロのラベルに記載される「SWISS TECHNOLOGY」は、スイスのスプリング製造機メーカー・シュプール社(現在はレゲット&プラット傘下)製の専用コイル製造マシンに由来する。東京スプリング工業は2009年にプリヒーティングポケットコイル製造機「P-433」を導入。これはアジア納入第一号機であり、国内には現在もこの1台のみが存在する。

通常のコイル製造では「コイル形状に成形してから熱処理」するが、P-433は「先に熱処理してから成形」するプリヒーティング加工を採用。これにより焼きムラがなく応力・耐久性が均一なコイルを量産できる。この製法が可能な国内メーカーは東京スプリング工業だけだ。

マエストロ GTP の詳細スペック

項目 仕様
スプリング 7.5インチ アワーグラスポケットコイル(プリヒーティング加工)
線材 硬鋼線 SWRH82B SWC(JIS規格最上位グレード)
上層ウレタン GTF75(密度75kg/m³・厚さ3cm)高触感フォーム
下層ウレタン 高弾性プロファイルフォーム D50(厚さ3cm)
中綿 ウール入り防ダニコンフォロフト綿
縫製 R型縫製(フラット面を広く確保し体圧分散性を向上)
生地 銀糸使用(抗菌・消臭効果)
総厚 360mm(36cm)
製造 MADE IN JAPAN(埼玉県幸手市・自社一貫製造)

コイルは従来のアワーグラスポケットⅠシリーズの6.5インチより約2.5cm背が高い7.5インチを採用。これにより1本のコイルが発揮できる二段階反発の幅が広がり、より繊細な体圧分散を実現している。上層のGTF75は東洋ソフランテック製の最高グレードウレタンで、密度75kg/m³という数値は一般的な高密度ウレタン(30〜50kg/m³)を大幅に上回る。

サイズ展開

サイズ 幅 × 長さ × 厚み
シングル(S) 970 × 1,950 × 360mm
セミダブル(SD) 1,200 × 1,950 × 360mm
ダブル(D) 1,400 × 1,950 × 360mm
ワイドダブル(WD) 1,520 × 1,950 × 360mm
クイーン(Q) 1,600 × 1,950 × 360mm
ロングタイプ 各幅 × 2,030 × 360mm
⚠️ 搬入時の注意点
総厚360mm(36cm)というハイエンド仕様のため、マンションの窓からの搬入が不可なケースがある。購入前に搬入経路の確認を強く推奨する。実際に体験者から「マンションに入らず断念した」という声も出ている。

アワーグラスシリーズ内でのマエストロの位置づけ

モデル名 コイル 位置づけ
アワーグラスポケットⅠ(アールグレイ) 6.5インチ(並行配列) 定番ベストセラー
アワーグラスポケットⅡ(スマトラ) 6.5インチ(ハニカム配列) ラテックス採用モデル
アワーグラスポケットⅢ(ホワイトシープ) 6.5インチスリム(ハニカム配列) 両面使用・ウール生地
マエストロ GTP 7.5インチ(プリヒーティング) 上級フラッグシップ
ベルジウム 専用設計 オーガニック生地採用
ファントム 8インチ(ピアノ線) 最上位モデル

シモンズ・日本ベッド・サータとの比較

マエストロと同価格帯(シングル15〜30万円台)の主要競合と技術・特徴を比較する。

メーカー 代表モデル コイル技術 製造
東京スプリング マエストロ GTP アワーグラス型・非線形反発・プリヒーティング 国内一貫製造
シモンズ ゴールデンバリュー 円筒型ポケットコイル(線径制御) 国内製造
日本ベッド シルキーポケット 超高密度ポケットコイル(S:1,200個) 国内製造
シーリー ラグラスⅡ ポスチャーテック(連結式・角度可変) 海外製
サータ ポスチャーノーマル 樽型ポケットコイル(3ゾーン) 一部国内

販売店・新井家具ベッド館の比較では、「同等スペックのシモンズ製品と比べて30〜40%の価格優位性がある」と紹介されている。東京スプリング工業はシモンズ・サータなどにスプリングを供給してきた実績を持ち、いわば「スプリングのOEM元」が直接消費者に販売しているのがアワーグラスシリーズの本質だ。

他社との最大の技術的差別化は3点。第一にプリヒーティング加工による品質均一性(日本唯一)、第二に非線形反発特性による自動適応サポート(ゾーニング不要)、第三にコイルから完成品まで国内一貫製造である。

口コミ・評判まとめ

絶対数は少ないものの、製品品質そのものへのネガティブ評価はほぼ確認されていない。

😊 良い口コミ
・「寝るのが楽しみになるレベル。ホテルのベッドより気持ちいい」
・「アワーグラスのマットレスにしてから、腰痛という概念を忘れた」
・「ふんわりしてるのに沈まない。他のマットレスには戻れない」
・「新井家具のスタッフが6年愛用しているというのが説得力あった」
😓 注意点・惜しい点
・「ネットに情報が全然なくて調べるのが大変だった」
・「試せる場所が少なすぎる。近くに取扱店がない」
・「36cm厚でマンションの窓から搬入できず断念」(マエストロ特有)
・「価格が分からないので問い合わせるハードルがある」

価格と購入方法

マエストロ GTPはAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどECサイトでは販売されていない。価格は問い合わせ制で公開されていないため、取扱店への直接確認が必要だ。参考として、同シリーズの下位モデル「アワーグラスポケットⅠ」のシングルが直販価格184,800円(税込)であることを踏まえると、マエストロはこれを上回る価格帯と推定される。

現在確認できる取扱店は以下の通り。

店舗名 所在地 特徴
新井家具ベッド館(大阪枚方本店) 大阪府枚方市 実物試寝可能・最低価格保証あり
新井家具ベッド館(東京汐留ショールーム) 東京都港区 実物試寝可能

なお、同シリーズの下位モデルである「アワーグラスポケットⅠ」はEC経由でも購入できる場合がある。マエストロとの比較検討にも活用してほしい。

こんな人にマエストロがおすすめ

  • 現在シモンズや日本ベッド等の高級マットレスを検討しており、技術的に最高水準を求める人
  • 腰痛・肩こり対策で体圧分散性の高いマットレスを探している人
  • 「柔らかいのに沈み込まない」という両立を求めている人
  • MADE IN JAPANの品質にこだわりたい人
  • 一生モノの投資としてマットレスを選びたい人

まとめ

東京スプリング工業「アワーグラスポケット マエストロ GTP」は、日本に1台しかないスイス製専用マシンによるプリヒーティング加工の7.5インチアワーグラスポケットコイル、GTF75高触感フォーム、全工程国内一貫製造という三重の技術的独自性を持つ。知名度は低く購入ハードルも高いが、体験者からの評判は一様に高く「知る人ぞ知る実力派」として口コミで評価が広がっている。

大手ブランドと同等以上の品質をより手頃な価格で実現できる可能性がある点で、高級マットレスの検討者にとって試す価値は十分にある。まずは取扱店での試寝体験を強くおすすめしたい。

他のマットレスとの比較は【2026年版】マットレスおすすめ5選比較も参考にしてほしい。

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